文=榊原けい 風に漂う沈丁花やきんもくせいの香のかぐわしさに季節のうつろいを感じられるようになり、齢二十をいくつか過ぎてやっと言語化の難しい匂いの領域に少しずつ魅せられ始めた私にとって、スーパーマーケットの青果コーナーに立ち寄った折に旬を迎…
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